さてさて、そろそろイチゴのパンをの準備にかからねば・・・、と
思い立ったらもう、すぐに仕込みに入りたい。
案外せっかちだなと、失笑しつつ。
イチゴは、今年はつくいちのお仲間の丹精したものを、と思っていたけれど
すでに思い立ってしまい、腰が上がってしまったので間に合わない。
そこで生鮮ものが得意なスーパーで入手して
さっそく、はじめる。
ざっと水に漬けて洗い、ヘタを取ってカット。
イチゴの2割量のお砂糖をまぶして、半日置く。
置いた鍋には、すでに華やかな赤色のシロップが上がっている。
そのまま火にかけ、強火で沸かせる。
華やかな赤色に、白い大きな泡がぶくぶくとたつ。
灰汁をお玉でとりつつ、
もりもりとダイナミックに沸く鍋の変化から目が離せない。
そのうち、泡のきめが細かくなる。
華やかだった赤色は、深い深い、真紅へと変わっている。
3分の2ほどにかさが減った頃、
レモン汁を加える。
酸の効果で深い真紅が一瞬鮮やかになり、ハッとする。
細かかった泡が、不揃いにクツクツという高温とともに
湧きだすと、もう油断は禁物。
一瞬たりとも、目が離せない。
洗濯機がピーピーと、「こちらもお願いしますぜ」と
終了の合図を知らせても、浮気は禁物。
始終集中して鍋の底をかき混ぜなければ、
焦げてしまってご臨終だ。
熱々のシロップを、小皿にたらしては
ふーふーと冷まし、粘度を見る。
つつつと流れるようでは、まだ早い。
何事にも応じない緩慢な動きで、とろり、と皿にとどまれば
さあ、出来上がり。
ふうう、と肩の力をぬく。
真紅のイチゴジャムが艶やかに輝いている。
何度炊いても、見飽きることのないダイナミックな鍋の中。
そうして出来上がったイチゴジャムのパンたち。
(いちごしょこら)は毎春の定番。
(包み焼ジャムパン)は、もう少しひねりが必要か。